生成AI(頼むと文章や案を作ってくれるAI)の比較でいちばん効くのは、機能の多さを並べることではなく、自分の会社のふだんの仕事とどこで噛み合うかを見ることです。よく候補に挙がる3つ、ChatGPT・Claude・Geminiの違いをおおまかに言えば、ChatGPTは用途を絞らず幅広く使えること、Claudeは長い文章を読んで要約したり書き直したりすること、GeminiはGmailやスプレッドシートといったGoogleのサービスとつながっていることが、それぞれの持ち味とされています。どれも機能を広げ続けていて、できることの重なりは増えています。最新の機能や料金は各社の公式サイトで確認してください。ここでは、非エンジニアの日々の仕事でどれを選ぶかを、比較表と会社のタイプ別の判断で整理します。
Summary / この記事の要点
ChatGPTは用途の幅、Claudeは長い文章の読み書き、GeminiはGoogleのサービスとのつながりが持ち味とされます。できることは重なりつつあるので、最新の機能と料金は各社の公式サイトで確認してください。
外れにくい選び方の軸は、ふだんの仕事がどの画面の中で回っているか。Googleの道具で回っているならGemini、長い文書の読み書きが仕事の中身ならClaude、まだ何を任せるか絞れていないならChatGPTから、がセンテの見方です。
決めきれないときは、実際にある仕事1つに同じ頼み方をして、手直しにかかった時間で比べます。その時間差を人件費に置き換えれば、料金に見合うかを自社の数字で判断できます。
ChatGPT・Claude・Geminiは、何が違う?
3つの違いは、得意なことと、ふだんどこで使う道具か、の2点に出ます。ChatGPT(OpenAI)は用途を絞らず幅広く使えること、Claude(Anthropic)は長い文章を読んで要約したり書き直したりすること、Gemini(Google)はGmailやスプレッドシートといったGoogleのサービスとつながっていることが、それぞれの持ち味とされています。
たとえるなら、机の置き場所の違いです。ChatGPTとClaudeは、専用の画面を開いて相談しに行く形。Geminiは、ふだん開いているGoogleの画面の中に机がある形、という距離感です。
ただし3社とも機能を広げ続けていて、できることの重なりは増えています。ここで挙げた持ち味も、半年後には形が変わっているかもしれません。使える機能と料金は、それぞれの公式サイトで確認してください。
この記事で扱うのは、調べ物、文章の下書き、資料の要約といった、毎日の事務の仕事です。プログラムを書く仕事の道具選びは軸がまるごと変わるので、別記事「Claude CodeとChatGPT・GitHub Copilotの違いと選び方」で扱っています。
3つの持ち味(いまのところの傾向)
ChatGPT(OpenAI)
用途を絞らず幅広く使えることが持ち味とされる
Claude(Anthropic)
長い文章を読んで要約する、書き直すのが持ち味とされる
Gemini(Google)
Gmailやスプレッドシートとのつながりを軸に設計されている
同じ生成AIでも、得意なことと「どこで使う道具か」が違います。
結局、どれを選べばいい?
迷ったら、ふだんの仕事がどの画面の中で回っているかから決めます。機能の一覧を並べて比べるより、外れにくい決め方です。
使い始めでつまずくのは、たいてい機能が足りないからではありません。開くのを忘れるからです。朝いちばんに開く画面がGmailなら、その中にあるものが手に取られます。別の画面をもう一つ開くという一手間は、思っているより大きな壁になります。
もう一つの軸は、任せたい仕事が短い文章の量産か、長い資料の読み込みかです。案内文やメールの下書きを数多くこなしたいのか、何十ページもの資料を読ませて要点を出したいのか。この2つは、道具に求める力が違います。
下の表は、いまのところの傾向を並べたものです。持ち味も料金も変わるので、決める前に各社の公式サイトで確認してください。
3つの生成AIを、選ぶときに見る点で並べる
| 見る点 | ChatGPT | Claude | Gemini |
|---|---|---|---|
| 持ち味とされること | 用途を絞らず幅広く使える | 長い文章の読み込みと書き直し | Googleのサービスとのつながり |
| 任せやすい仕事 | 調べ物、メールや案内文の下書き | 長い資料の要約、文章の練り直し | Gmailや表計算の中での下書き、整理 |
| ふだん使う場所 | 専用の画面を開いて使う | 専用の画面を開いて使う | ふだん開いているGoogleの画面の中 |
持ち味は動きますが、「ふだん使う場所」は自社の事情で決まるので、判断の軸として長持ちします。
会社のタイプ別に、センテならこう決めます
ここからはセンテの見方です。中小企業でよくある3つの型に分けて、どれから始めるかを言い切ります。
ふだんの仕事がGmailやスプレッドシートで回っている会社は、Geminiから試します。新しい画面を開く手間がないぶん、使い始めが続きやすいからです。まず1か月、いつもの画面の中で下書きを任せてみて、手が止まらないかを見ます。
提案書、報告書、仕様書のような長い文書の読み書きが仕事の中身になっている会社は、Claudeから試します。士業、設計事務所、製造業の技術部門などが当てはまります。長い文章の読み込みと書き直しが持ち味とされていて、任せたい仕事と噛み合うからです。
何を任せたいかまだ絞れていない会社は、ChatGPTから試します。用途の幅で選ぶ、という考え方です。最初の1つは、当たりを外さないことより、たくさん試せることのほうが効きます。使っているうちに「これは任せられる」という仕事が見つかります。
どれを選んでも失敗ではありません。避けたいのは、比べているうちに半年が過ぎることです。そして、効くかどうかを決めるのは、どれを選んだかより、選んだあとに社内で使われ続けるかどうかです。試しただけで止まっている会社は珍しくありません。使い続く形にするところが、いちばん時間のかかる仕事になります。
会社のタイプ別の入り口(センテの見方)
Googleの画面で仕事が回っている
Geminiから。新しい画面を開く手間がない
長い文書の読み書きが仕事の中身
Claudeから。要約と書き直しが持ち味とされる
何を任せたいかまだ絞れない
ChatGPTから。用途の幅で選ぶ
どれを選んでも失敗ではありません。決めきらないまま時間が過ぎるほうが、損は大きくなります。
料金に見合うかは、どう確かめる?
見合うかどうかは、同じ仕事を2つか3つのツールにやらせて、手直しにかかった時間を比べれば分かります。感想で比べず、時間で比べるのがこつです。
やり方はこうです。実際にある仕事を1つ選びます。見積書の下書き、問い合わせへの返信の下書き、会議の要点整理あたりが向いています。同じ指示文(プロンプト=AIへの頼み方を書いた文章)を、比べたいツールにそのまま入れます。出てきた下書きを、そのまま使える状態にするまで何分かかったかを測ります。
読み比べて「こちらのほうが自然だ」と感じても、その感触は翌日には思い出せません。手直しに何分かかったかは残ります。3日ぶんも測れば、自社の仕事にどれが噛み合うかは見えてきます。
そこまで測れれば、料金と見合うかは自分の会社の数字で判断できます。たとえば見積書や案内文の下書きに1件30分かかっていて、AIの下書きと人の確認で15分に縮んだとします。月20件なら5時間、年に直せばおよそ60時間、担当者およそ7日半分の労働時間です。この時間を人件費に置き換えた額と、月々の料金を並べれば、続けるか広げるかは自分で決められます。
試す前に決めておくことが2つあります。1つは、AIに入れてよい情報と入れない情報の線引き。お客さんの連絡先や、公開前の見積り条件を入れてよいかは、先に社内で決めます。もう1つは、出てきたものを人が確かめる工程を残すこと。数字なら合っているか、返信の下書きなら失礼がないかを、目で見てから使います。試用の条件も料金も変わるので、申し込む前に公式サイトで確認してください。
手直しの時間で比べる
実際にある仕事を1つ選ぶ
見積書の下書き、問い合わせ返信、会議の要点整理など
同じ指示文を2〜3のツールに入れる
頼み方を揃えないと、道具の差か頼み方の差か分からなくなる
そのまま使えるまでの時間を測る
良し悪しの感想ではなく、分単位で記録する
時間差を人件費に置き換えて料金と並べる
続けるか広げるかを、自社の数字で決める
感想ではなく手直しの分数で比べると、自社に噛み合うツールがはっきりします。
60時間
見積書や案内文の下書き1件あたり30分が、AIの下書きと人の確認で15分になった場合の、年間の削減時間の目安。担当者およそ7日半分の労働時間にあたります試算例
試算の前提:1件15分の短縮×月20件×12か月として試算した例
浮いた時間を人件費に置き換えれば、月々の料金と見合うかを自社の数字で判断できます。
